百人一首の虫 -鬱蒼とした森から奏でる31音- その14.
私こと「か め🐢」による百人一首の歌考察シリーズの第14弾です。歌考察というより、古典文法を駆使して歌の意味を味わうのがコンセプトだったりします。高校で習うので、小中学生には難しい?…かもしれません。私も10年以上ぶりに古典文法の知識を引っ張り出して、ブログを書きながら学んでいる次第です。
しばらくの間、どうか お付き合いくださいませ。
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66. もろともに あはれと思へ…
もろともに あはれと思へ 山桜
花よりほかに 知る人もなし
【意味】
奥ふかい山中に山桜がひっそりと咲いている。桜よ、おまえも一人、わたしも一人、こんな山奥におまえよりほかに知る人もない。もろともになつかしく思っておくれ。
p.213 より引用
67. 春の夜の 夢ばかりなる…
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に
かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
【意味】
春の短夜、夢のようなおたわむれ。あなたの手枕をかりたりしたら、つまらない浮き名がたってしまいますわ。とんでもない。
p.215 より引用
68. 心にも あらでうき世に…
心にも あらでうき世に ながらへば
恋しかるべき 夜半の月かな
【意味】
心ならずもこのつらい世の中に生きながらえたなら、今宵のこの月はどんなに恋しく思い出されることだろう。
p.218 より引用
69. 嵐吹く 三室の山の…
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
竜田の川の 錦なりけり
【意味】
三室山の紅葉の葉っぱは、嵐に吹かれて竜田川の川面に散りしく。……まるで錦のようだなあ。
p.221 より引用。
70. さびしさに 宿を立ち出でて…
さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば
いづこも同じ 秋の夕暮
(本書では「いづこ」を「いづく」と表記。)
【意味】
なんとなくものさびしい秋の夕暮れ。なんだかたまらなくなって、家を出てあたりをながめてみると、どこもみな同じ、ものさびしいふぜいだ。
p.224 より引用