呉かるた会

呉かるた会会長の、ノホホな徒然日誌

百人一首の虫 -鬱蒼とした森から奏でる31音- その10.

私こと「か め🐢」による百人一首の歌考察シリーズの第10弾です。歌考察というより、古典文法を駆使して歌の意味を味わうのがコンセプトだったりします。高校で習うので、小中学生には難しい?…かもしれません。私も10年以上ぶりに古典文法の知識を引っ張り出して、ブログを書きながら学んでいる次第です。

 

しばらくの間、どうか お付き合いくださいませ。

 

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46. 由良の門を 渡る舟人…

由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え

行方も知らぬ 恋のみちかな

【意味】

由良の海峡をわたる舟人が楫 (かじ) をうしなってゆらゆらと波間にただようように、ぼくの恋もどうなるやら、ゆくえもしれず、不安だ。ゆらゆらとただようばかり……

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.140 より引用

 

47. 八重むぐら しげれる宿の…

八重むぐら しげれる宿の さびしきに

人こそ見えね 秋は来にけり

【意味】

むぐらがたくさん生いしげるその邸 (やしき) のさびしさよ。あれはてて、今はたずねてくる人もない。そんな庭にも、ひそかに秋はおとずれている。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.146 より引用

 

48. 風をいたみ 岩うつ波の…

風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ

くだけてものを 思ふころかな

【意味】

風がはげしいので、岩に打ちよせる波はくだけ散る。その岩のように冷淡なあの人はびくともしない。ぼくはあの波のように心くだけ、心を乱す。片恋の苦しさに、ぼくだけが。……

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.152 より引用

 

49. みかきもり 衛士のたく火の…

みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ

昼は消えつつ ものをこそ思へ

【意味】

宮中の御門を守る兵士たちが、警備のかがり火を、夜な夜なたく。あの火のようにわたしの思いは夜になると燃えさかり、昼は火が消えるように心も消え入ってうつろとなる。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.158 より引用

 

50. 君がため 惜しからざりし…

君がため 惜しからざりし 命さへ

長くもがなと 思ひけるかな

【意味】

きみのためなら命もおしくないと思っていたのに、きみを得た今は、気が変わった。

ぼくは生きたい。長く生きて、いつまでもきみとしあわせに暮らしたい。

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.164 より引用

 

 ↓この歌の切実な思いは、会長が認めた (したためた) 以下のブログをお読みください (笑)。

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