呉かるた会

呉かるた会会長の、ノホホな徒然日誌

百人一首の虫 -鬱蒼とした森から奏でる31音- その6.

私こと「か め🐢」による百人一首の歌考察シリーズの第6弾です。歌考察というより、古典文法を駆使して歌の意味を味わうのがコンセプトだったりします。高校で習うので、小中学生には難しい?…かもしれません。私も10年以上ぶりに古典文法の知識を引っ張り出して、ブログを書きながら学んでいる次第です。

 

しばらくの間、どうか お付き合いくださいませ。

 

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26. 小倉山 峰のもみぢ葉…

小倉山 峰のもみぢ葉 こころあらば

今ひとたびの みゆき待たなむ

【意味】

小倉山の紅葉よ、心あるならばそのままに、もういちどの帝の行幸 (天皇がお出かけになること。行幸 (ぎょうこう) ) の日まで待っていておくれ。美しいままで。――

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.94 より引用

 

27. みかの原 わきて流るる…

みかの原 わきて流るる いづみ川

いつみきとてか 恋しかるらむ

【意味】

山城 (京都府南部) のみかの原を分け、わきあふれて流れるいずみ川。その名のように、きみを「いつ見」たというのだろう。まだ逢っていないのに恋しい。逢ってください、このぼくに。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.96 より引用

 

28. 山里は 冬ぞさびしさ…

山里は 冬ぞさびしさ まさりける

人目も草も かれぬと思へば

【意味】

山里はいつもさびしいが、とりわけ冬はさびしさがまさる。草は枯れ、人は離れて (かれて) ゆく。……

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.98 より引用

 

29. 心あてに 折らばや折らむ…

心あてに 折らばや折らむ はつ霜の

置きまどはせる 白菊の花

【意味】

初霜でいちめん、真っ白だ。白菊の花も、どれがどれやらわからなくなっちゃった。

あて推量で折れば折れるかもしれないが、なにしろいちめん、真っ白の霜だもんなあ。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.100 より引用

 

30. 有明の つれなく見えし…

有明の つれなく見えし 別れより

暁ばかり 憂きものはなし

【意味】

空には有明の月がつれなくかかっていた。

きみと別れたくないのに、明ければ帰らねばならぬ世のならい。あの日からぼくにとって暁ほどせつなくつらいものはないようになった。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.102 より引用