呉かるた会

呉かるた会会長の、ノホホな徒然日誌

百人一首の虫 -鬱蒼とした森から奏でる31音- その7.

私こと「か め🐢」による百人一首の歌考察シリーズの第7弾です。歌考察というより、古典文法を駆使して歌の意味を味わうのがコンセプトだったりします。高校で習うので、小中学生には難しい?…かもしれません。私も10年以上ぶりに古典文法の知識を引っ張り出して、ブログを書きながら学んでいる次第です。

 

しばらくの間、どうか お付き合いくださいませ。

 

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31. 朝ぼらけ 有明の月と…

朝ぼらけ 有明の月と みるまでに

吉野の里に ふれる白雪

【意味】

夜がほのぼのと明けてきた。この明るさは有明の月の光かと思ったが、雪だった。

あたりいちめんの白雪で明るんでいたのだ。ここ吉野の里よ。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.104 より引用

 

32. 山川に 風のかけたる…

山川に 風のかけたる しがらみは

流れもあへぬ 紅葉なりけり

【意味】

山の中の川に風がかけたしがらみ (柵) 。それは流れようにも流れない紅葉のしがらみなのだった。秋風の風流ないたずら。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.106 より引用

 

33. 久方の 光のどけき…

久方の 光のどけき 春の日に

しづこころなく 花の散るらむ

【意味】

日の光もゆったりとのどかな春の日。どうして桜の花ばかりは静かな心もなく、あわただしく散りいそぐのだろう。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.108 より引用

 

34. たれをかも 知る人にせむ…

たれをかも 知る人にせむ 高砂

松も昔の 友ならなくに

【意味】

わたしは年老いた。だれを友としようか。あの年経た高砂の松でさえ、昔からの友人ではないものを。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.111 より引用

 

35. 人はいさ 心も知らず…

人はいさ 心も知らず ふるさとは

花ぞ昔の 香ににほひける

【意味】

あなたは、さあ、どんなお気持ちかわかりませんが、しかし昔なじみのこの地で咲く花は、昔に変わらぬにおいでわたしをむかえてくれますね。

 

田辺聖子 著「歌がるた 小倉百人一首」(角川文庫)

p.114 より引用